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版染め技法

61 紅板染め(べにいたぞめ)
62 夾纈染め(きょうけつぞめ)
63 手摺り木版画染め(てずりもくはんがぞめ)
64 木版染め友禅
65 踏込み木版染め(ふみこみもくはんぞめ)
66 槌杵染め(つちしょうぞめ)
67 石版染め(せきばんぞめ)
68 ゴム版染め
69 木目起し(もくめおこし)
70 木版ローラー捺染(もくはんろーらーなせん)
71 ローラー機械捺染

61 紅板染め

61 紅板染め(べにいたぞめ)

紅板染め
紅板締めは木版染めの中でも特異なもので、外国にはない染法である。

図版作品は水面に飛翔している鶴をデザイン化した紅板締染めで、 生地が版板の間で折り畳まれて上下対象に2倍に伸ぴがある模様に なっている。版板の厚みがじゃまにならない柄である。

62 夾纈染め

62 夾纈染め(きょうけつぞめ)

夾纈染め
爽纈染めは我が国で最も古い版染めでありながら、 いままで解明されなかった染法である。

図版の作品は彫刻した凸版型を上下2枚使い、 その間に湿して畳んだ生地を挟んで締めつけ、 染料液を版の上部の多孔から色毎に注ぎ込み、 下からその液を吸引し染めている。

63 手摺り木版画染め

63 手摺り木版画染め(てずりもくはんがぞめ)

手摺り木版画染め
木版画摺りと同—の摺り技法。各種の木版を組み合わせて柄を構成し、 染料液を木版に塗布して生地を載せ、馬棟で摺り染める。

図版の作品は柄のすべてに凸板木版を使い、鼠色の一部分に 青色を挿し分けて柄を摺り、地は板目を生地に摺り染めている。

64 木版染め友禅

64 木版染め友禅

木版染め友禅
木版染めには木質の持つ穏和な感覚がある。

図版の作品は更紗模様の小柄は木版摺り、大柄は手描きで輪郭を カチンで表わし、模様部分を蝋伏せで防染して地色を引染める。 その後に脱蝋してカチンの内側をすべて手彩色で繊細に染め分けている。

65 踏込み木版染め

65 踏込み木版染め(ふみこみもくはんぞめ)

踏込み木版染め
特異なこの方式は、古くは鎧の染韋として鹿の鞣韋に型紙を当て 踵で踏み染めた踏込型に原形をみるが、 木版による本格的な踏込みでは初の技法。

図版作品は生地に木版を何枚も使って踏込めた民芸調の模様で、 素朴で自然なかすれが立体的な効果を発揮している。

66 槌杵染め

66 槌杵染め(つちしょうぞめ)

槌杵染め
槌杵染めは染料を付けた木口木版で生地に転写する際に、 槌を使って叩いて染め付けるので命名された。

図版の作品は平らな御影石の上に生地を延べてテープで固定し、 上から木版を当て槌で叩いて模様を染めている。 竹の柄がシャープに表現されて清楚である。

67 石版染め

67 石版染め(せきばんぞめ)

石版染め
化学的に版作りをする染色では唯一の技法。平面で柄作りをして 油性の顔料インキを使う特異な版染めで、印刷独自の精密な柄表現ができる。

図版の作品は縮緬地に墨絵の感覚の図を石版刷りして、 淡く地色を引染めした絵画調の作品である。

68 ゴム版染め

68 ゴム版染め

ゴム版染め
ゴム素材を版染めに活用する技法。図版作品は白い花柄と点描をゴム糊で版置き、 ピンクと赤で花弁を摺染めて、地紋の小さな花弁の濃緑の部分は淡ピンク色で版押し 後に淡緑を引染めている。

ゴム版がゴム糊の揮発で溶けないよう、現在は合成ゴムを使っている。

69 木目起し

69 木目起し(もくめおこし)

木目起し
自然な板木目の柄を染める技法。木目の凹凸に添わせて生地を張り、 その凸部をフェルトなどで摺り染めし、木目模様を染め付ける。

図版の作品は淡赤に地染めした生地を板目に張り、 木目に合わせて墨色を刷毛摺り後、 色抜剤で頭摺りして白木目を表わしている。

70 木版ローラー捺染

70 木版ローラー捺染(もくはんろーらーなせん)

木版ローラー捺染
木版凸版ローラーの染めは素朴な染め味がある。

図版の作品は白場に白糸目糊置きし、葉を型摺りで染めた後、 あらためて鹿の子模様の凸版ローラー特有の陰で、立体感を 表現した一風変わった染め着尺である。

71 ローラー機械捺染

71 ローラー機械捺染

踏込み木版染め
ローラー捺染はその金属凹版の特徴から、 同じ柄や暈しを一度に何反も連続して染色ができる。

図版の作品は機械捺染の得意な縦縞柄のバリエーションで 紫・赤・青・黒色の4本の彫刻ローラーを機械に掛けて染めたもの、 白の部分は彫り残しで表現する。