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【型摺り染め技法】

1 摺り切り友禅(すりきりゆうぜん)
2 カチン摺り友禅(かちんずりゆうぜん)
3 摺り暈し友禅(すりぼかしゆうぜん)
4 摺り疋田友禅(すりびったゆうぜん)
5 惨み摺り友禅(にじみすりゆうぜん)
6 摺り更紗友禅(すりさらさゆうぜん)
7 紗摺り友禅(しゃずりゆうぜん)

1 摺り切り友禅

1 摺り切り友禅(すりきりゆうぜん)

摺り切り友禅(すりきりゆうぜん)
多くの生型紙を使って丸刷毛で各色の染料液を生地に摺り込み染めをする技法。原則として惨みや暈しは施さない。
図版の作品は防染糊で糸目を置き、小花の小さい部分を摺り染めし、その部分に伏せ糊置き後、ほかの模様を8色30枚型で摺り染めた着尺である。

2 カチン摺り友禅

2 カチン摺り友禅(かちんずりゆうぜん)

カチン摺り友禅(かちんずりゆうぜん)
模様の輪郭線を型糸目で際立たせる技法で、カチン墨を刷毛でまず生地に 摺り込んで輪郭線を染める。
図版の作品は、カチンで衣裳と小物の輪郭線を摺り込み、 次いで衣裳の柄色を摺り染めした後、柄を伏せ糊置きして地染めをした 緻密な衣裳尽しの着尺柄である。

3 摺り暈し友禅

3 摺り暈し友禅(すりぼかしゆうぜん)

摺り暈し友禅(すりぼかしゆうぜん)
摺り暈し染めは型染めにおける挿し友禅と言っても過言でない程、 個人差のでる型染めである。
図版の作品は糸目糊置き後、桜の花弁を赤と青とで摺り暈し、 菊の葉を墨で暈し、桜と菊の藍に暈しを施して強い赤・黒の写し糊を型置き、 鼠で地色を染めたものである。

4 摺り疋田友禅

4 摺り疋田友禅(すりびったゆうぜん)

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摺り疋田は鹿の子柄を染めるのに最も多く使われる技法である。
図版の作品は鹿の子模・様を4色に染め分けた着尺柄。16枚の型紙を使って、 各色濃淡の摺り込み友禅で染めている絞り感覚の摺り疋田で、型紙の枚数が 少ないのに絞りの味わいを良く染め表している。

5 惨み摺り友禅

5 惨み摺り友禅(にじみすりゆうぜん)

惨み摺り友禅(にじみすりゆうぜん)
摺り友禅の範囲を広ける技法のーつとして、型摺りで惨み染めを表現する技法である。
図版の作品は花の飛ぴ柄地に変化をつけて、渉み摺り技法のみで染め出している着尺柄。 幾枚もの型紙の重色効果でフランス印象派の洋回調が巧みに表現されている。

6 摺り更紗友禅

6 摺り更紗友禅(すりさらさゆうぜん)

摺り更紗友禅(すりさらさゆうぜん)
中世紀以降の南蛮交易で、異国情緒溢れる染め物を暹羅染め。更紗と名付けて珍重した。
この渡り更紗の柄を模した国産の染め物を和更紗と称した。
図版の作品は数十枚の生型を使い、更紗模様を切り嵌めた世界に比類のない日本独特の 更紗染めである。

7 紗摺り友禅

7 紗摺り友禅(しゃずりゆうぜん)

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摺り込みの変化技法のー種。生型の代わりに紗張り型を用いる。 型の紗の目が生地に摺り跡として残り、柔らかな効果を出す。
図版の作品は唐子手の和更紗模様で、模様糸目はカチン摺りで輪郭を表し、 地と衣服の部分など全てを紗摺りで染め表わしている。