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蝋纈染め技法

49 蝋纈友禅(ろうけつゆうぜん)
50 蝋堰出し友禅(ろうせきだしゆうぜん)
51 蝋線描き友禅(ろうせんがきゆうぜん)
52 蝋半防染描き(ろうはんぼうせんがき)
53 チャンチン描き更紗(ちゃんちんかきさらさ)
54 蝋吹雪(ろうふぶき)
55 蝋叩き(ろうたたき)
56 蝋纈絞り(ろうけつしぼり)
57 糊起し蝋染め(のりおこしろうぞめ)
58 型蝋纈(かたろうけつ)
59 亀裂染め(きれつぞめ)
60 蝋纈版染め(ろうけつはんぞめ)

49 蝋纈友禅

49 蝋纈友禅(ろうけつゆうぜん)

蝋纈友禅
友禅と蝋染め技術術を集めて染められる蝋染めの最高級といえる染色技法。

図版の作品は抽象化した木の輪郭線をゴム糸目で描き、 枝葉に蝋描き亀裂、その部分に挿し友禅後、蝋伏せし バックに蝋吹雪を施して刷毛暈しで染め重ねた 蝋描き友禅の逸品である。

50 蝋堰出し友禅

50 蝋堰出し友禅(ろうせきだしゆうぜん)

蝋堰出し友禅
蝋染めは手描き友禅のように分業制でなく、 作家が総ての加工を行うので個性的な作品ができる。

図版作品は白い地の部分を堰出し蝋で描き伏せ、 縁蓋して蝋で吹雪と叩きの後、淡青を染め、 部分伏せして木の陰を染める。葉枝を暈し、 最後に木の幹を染めている。

51 蝋線描き友禅

51 蝋線描き友禅(ろうせんがきゆうぜん)

蝋線描き友禅
蝋の線描きは筆描き蝋染め。基ホ技法で、下絵か草稿を 代用青花か鉛筆で生地に写し蝋線描きをする。蝋はすぐに 冷えて固まるので、蝋線描きは特に熟練が必要。

図版の作品は蝋染めには珍しい線揚げのみの御所解き模様 で仕上げている。

52 蝋半防染描き

52 蝋半防染描き(ろうはんぼうせんがき)

蝋半防染描き
蝋の半防染効果は、筆描きの熟達した人の腕の見せ所でもある。 染め着尺の場合は草稿を写すようにして蝋を筆描きする。

図版の作品は小花の点描はゴムで筒描きし、花と唐草を勢いよく半防染用の蝋で描き、 花の部分に再ぴ拾い描きで完全防染部分を作っている。

53 チャンチン描き更紗

53 チャンチン描き更紗(ちゃんちんかきさらさ)

チャンチン描き更紗
ジャワの手描きバティックはチャンチンと称する小さな線描き器具を 使う。我が国では友禅用に電融蝋ぺンが開発されている。

図版の作品はチャンチンで線描き後、赤と深緑を彩色して蝋伏せ、 次に藍の部分を染める。仕上げに純金泥描きで金更紗としている。

54 蝋吹雪

54 蝋吹雪(ろうふぶき)

蝋吹雪
蝋染め独特の加工で、群小蝋を散らして吹雪で、 蝋の強さを和らげる効果を出している。

図版の作品は笹の黒と白の部分を糊置き、 吹雪加工して水洗で糊を落とし、笹を色挿し後に蝋伏せする。 鼠に引染めし、再ぴ鼠部分を蝋伏せして黒に染めている。

55 蝋叩き

55 蝋叩き(ろうたたき)

蝋叩き
蝋叩き加工は蝋染めで不定形な斑点を現わす技法である。 熔融蝋を種々の叩き用具に付けて所要の生地の位置につけて 防染する。

図版の作品は叩き加工のみで京都北山の風景を表現したもので、 木の梢は生型を使って蝋を叩き、茜で暈し染めしたものである。

56 蝋纈絞り

56 蝋纈絞り(ろうけつしぼり)

蝋纈絞り
蝋絞りは特異な技法で京都でも技能者は少ない。

図版の作品は下り藤の花の部分を淡彩に蝋で染め上げ、 葉の部分をその葉脈に添わせて蝋絞りで表現している。 柄の中央部分の蝋絞りの葉の中に白い花が入り込んでいる 卓越した技術の作品である。

57 糊起し蝋染め

57 糊起し蝋染め(のりおこしろうぞめ)

糊起し蝋染め
型摺り友禅と蝋染めとを組み合わせた技法で普通の型染めにない 表現ができる。

図版の作品は地張りした生地に法隆寺文様を型摺り後、 地型で地を白糊で埋めると全面に蝋伏せ 水洗で糊の部分を 落として茶で地色を染め、次に裏側から蝋引し、 表から黒を引染める。

58 型蝋纈

58 型蝋纈(かたろうけつ)

型蝋纈
蝋紅型とも称する型と引染めを併用する特殊技法。

図版の作品は紅型調の民芸的な模様で、蝋に似た防染液で 模様糸目を型で置き、5色を8枚の型で染め分ける。 次に模様を総伏せして引染めで地色を染める。 染料液の糸目のふち溜りが素朴な美しさを感じさせる

59 亀裂染め

59 亀裂染め(きれつぞめ)

亀裂染め
亀裂は蝋纈美の—つで、柄の中に巧みに表現するのが特徴である。

図版の作品は縦の細い蝋線と横の帯ぴを各色に染める過程で、 パラフィンと木蝋の配合蝋を規則正しく人為に割って整然とした 亀裂美の縞模様を染めだしたものである。

60 蝋纈版染め

60 蝋纈版染め(ろうけつはんぞめ)

蝋纈版染め
木版や金型の凸版を使った蝋染めは世界各地で行なわれている。

図版の作品は耐熱性の石膏ボードを利用し、菱形蓮根状に 彫刻した版を使って、蝋を生地にスタンプし、赤と黄の染料で ピース暈しをした後、再ぴ蝋をスタンプし別色を染めている。