型染め技法
12 京小紋(きょうこもん)
13 両面写し小紋(りょうめんうつしこもん)
14 縞写し染め(しまうつしぞめ)
15 伊予染め(いいぞめ)
16 京紅型(きょうびんがた)
17 型絵草木染め(かたえくさきぞめ)
12 京小紋
12 京小紋(きょうこもん)
京小紋は江戸小紋よりも歴史は古く、徳川幕府が安定した江戸中期に小紋染めの 需要の多い江戸で盛んになった。
図版の作品は京小紋の代表的なもので菊と流水に露持ち笹を染め、型口も分からない 高度な技法で上品に染め上げている。鼠の地色は濡れ扱(しご)き染め。
13 両面写し小紋
13 両面写し小紋(りょうめんうつしこもん)
両面の異色染めは今でも難しい染法で、種々染色技法がある中で、 写し糊による両面染めは現在も行われている。
図版の作品は表面に小紋柄を末入りの防染糊で型置きし、緑の色糊で披き染め、 裏面は生地の全面を茜色の扱き糊で無地に染め上げた小紋染めである。
14 縞写し染め
14 縞写し染め(しまうつしぞめ)
紺地の縞は粋な柄で、一時大流行した模様である。織縞も多種多様あるが、染めは配色替えができるので好みに 合わせて生産できる利点がある。
図版の作品は太。細の白縞に澄の縦編に矢絣を型置きし、 青の地色を扱き、濡れ蒸しで染め上げている。
15 伊予染め
15 伊予染め(いいぞめ)
縞柄の変形染色である伊予染めは引き杢目染めと酷似している。 同じ縞型で生地を二度染めする技法である。
図版の作品は緑の濃色で立縞を染め、二度目は生地をジグザグに貼り 淡色で縞型を置くと杢目柄が自然に表われる。伊予の絣縞を模したのでこの名がある。
16 京紅型
16 京紅型(きょうびんがた)
図版の作品は模様・配色に琉球紅型のイメージを残しながら、 京友禅の技法を随所に取り入れている。
ゴム糊で型糸目を置く友禅的な手法をとっているが、模様の色挿しは 沖縄と同様の摺り込み刷毛で丹念に染め上げており、 京紅型を名乗るにふさわしいものである。